■海苔についての基礎情報

海苔についての基礎的な情報をご案内いたします。

海苔の種類

主に焼海苔や巻海苔など板海苔に加工され食されているノリは海藻類の中で、紅藻類-アマノリと呼ばれる藻類の仲間で、種類ではアサクサノリやスサビノリなどがあります。
江戸時代以来、養殖海苔にはアサクサノリが利用されていましたが、病害に弱いなど養殖が難しいため、戦後病気に強いスサビノリが主流になりました。現在では、スサビノリの中でもより繁殖性の高いナラワスサビノリが主に養殖されています。

他にノリとして消費されている海藻には緑藻類-アオノリの仲間もあります。
この仲間には大変風味に優れ本物の「青海苔」として青海苔粉に利用されるスジアオノリやウスバアオノリのアオノリ類、「青海苔」の代用として粉にして使用されるアオサ、海苔佃煮の主原料として利用されるヒトエグサが含まれます。
この仲間は一般呼称として「あおのり」や「あおさ」と同じ名前呼ばれることも多く、何を指しているのか注意が必要です。

海苔-ノリのライフサイクル

ふだん口にしている「海苔」はノリの葉体と呼ばれる目に見える海藻の形に育ったものです。ノリの一生のある一時期に過ぎません。ノリのライフサイクルは大変複雑なうえ、葉体に育つまでは顕微鏡サイズです。江戸時代から養殖されていたにも関わらず、感覚的な養殖技術にとどまり、安定した養殖技術が戦後まで確立されなかった理由はその為なのです。

そのライフサイクルを簡単にまとめると・・
春にノリの葉体から放出されたオスとメスの胞子が受精し果胞子が生まれます。その果胞子はカキ殻に着いて発芽し、糸状体(しじょうたい)という糸状の小さな藻になります。その糸状体で夏を過ごします。水温が下がる秋口に糸状体から今度は殻胞子が放出されます。これがノリ芽となり、やがて成長した冬にはいわゆる「海苔」になるのです。




海苔の製造工程①養殖〜

カキ殻で糸状体で夏を過ごしているという、ライフサイクルが解明されて以降、海苔の養殖は進歩しました。

養殖はまず春から夏にかけて水槽でカキ殻を用い糸状体を育てるところから始まります。秋にカキ殻が黒くなるほど育った糸状体から放出されるタネ(殻胞子)を養殖網に付着させることを採苗といいます。
カキ殻で糸状体を培養する。栄養不足や病気に罹らないよう新鮮な海水で大切に育てられる。 糸状体が成長することにより、当初は白いカキ殻も秋口には黒紫色に変色する。  陸上採苗 網を張った水車を糸状体から放出された胞子の浮遊する水槽の上で回しタネを網に付着させる。

カキ殻を網にぶら下げ自然にタネを付着させる海上採苗法もある。

タネがついた海苔網は海で育てられます。半分は数センチに伸びた段階で陸に上げて冷凍庫で保管され、冷凍網とよばれます。陸に上げられずにそのまま海で育つ海苔は秋芽網とよばれます。秋芽網の生産力が落ちると冷凍網に替えられます。

海苔網で育った海苔は20センチほどに成長した段階で摘採されます。摘採機という海苔を刈り取る機械を搭載した船で海苔網の下を順次くぐりながら収穫していきます。

浮流式で海上に張られた海苔網。芽が幼い時は健康に育てる為に浮流式でも干出させる。 海苔網にしっかり育った海苔。 海苔網の下に潜り、網から垂れる海苔を刈りとっていく。

収穫された海苔は加工場に運ばれ、攪拌洗浄、ミンチにされ、全自動海苔抄き乾燥機内で、抄き、脱水、乾燥の工程を経て21センチ×19センチのサイズに成形されます。それを10枚(海苔の単位で1帖)ごと半分に折りたたみ、それを10セット(100枚)ごと束ねます。
水揚げされた海苔は攪拌、洗浄などの工程を経て細かくミンチにかけられる。 全自動海苔抄き乾燥機。ミンチ状の海苔が乾燥された海苔の状体で出てくる。 1帖10束ごと紙帯で結束される。

束ねられた海苔は海苔箱という専用箱に入れられ漁協での検査を経て漁連に集められ入札会に出品されます。

海苔の製造工程②黒海苔〜

落札された段階の海苔は一見、焼く前の黒海苔(巻海苔)のようですが、実は一歩手前の状態で、そのまま製品に加工することはできません。

もちろん一次乾燥されている為、生ではありませんがまだまだ水分値が高いのです。そのため漁連から届いた段階の海苔は弊社のような加工メーカーでは「生海苔」と呼ばれます。
・生海苔から黒海苔へ〜火入れ
生海苔の結束をほどき、10枚ごと折りたたまれた海苔を開き、元の形に伸ばします。この工程を伸ばしといいます。

伸ばした海苔は加工適正と品質保持の為、水分量を2%程度まで落とす再乾燥をおこないます。この工程を火入れといいます。
火入れ加工を行った海苔は水分値が低いため、アルミ袋に入れ低温保管することで長く品質が保たれます。
伸ばしの工程を経て100枚ごとまとめられた海苔。 通気の為に底が網の専用箱(せいろ)に並べられ火入れが行われる。 大型の熱風乾燥機(焙炉)で火入れを行います。


海苔の製造工程③焼海苔〜

火が入った海苔を焼くことで、お馴染みの焼海苔になります。
加工直前まで厳重に低温保管された黒海苔は、まず異物や破れなどを検出する機械で選別された後、焼き釜に送られます。ここで250度から300度程度の熱で数十秒焼成されます。
もちろん海苔は天産物なので全てが同じではありません。焼き具合にお客様の好みがあったりもします。都度、焼色をきっちり確認し、微妙な焼き時間や温度加減を調整することで、絶妙な焼海苔が出来上がるのです。
このように丁寧に焼かれた海苔が用途に合せて製品に加工されるのです。
火入後、加工される直前まで冷凍庫で保管されます。 人物手前が自動供給機。中央の機械が異物検出機。供給された海苔は左奥の専用室内の焼釜に送られていく。 焼釜を通過した海苔が焼かれて供給と反対方向から出てくる。